ポジションを保有している場合の資金調達率の影響及び手数料の決済時間の表を示します。
資金調達率(funding rate)受け取り、支払い表
ロング | ショート | |
資金調達率プラス | 支払う | 受け取る |
資金調達率マイナス | 受け取る | 支払う |
資金調達率の一般的な利率範囲
-0.375% ~+0.375%
※ロングとショートの勢いの目安の1つの参考
資金調達率(funding rate)の各取引所の決済時間表
日本時間 | |
Binance | 1:00/9:00 /17:00 |
Bybit | 1:00/9:00 /17:00 |
OKX | 1:00/9:00 /17:00 |
BitMEX | 5:00/13:00 /21:00 |
各取引所サイト
公式 Binance | 日本居住者NG |
公式 Bybit | 口座開設方法の解説 |
公式 OKX | 日本居住者NG |
公式 BitMEX | 日本居住者NG |
資金調達率(funding rate)について
一般的に海外取引所でビットコインFX、レバレッジ取引をされている方は無期限で取引を行っている方が多いでしょう。
しかし、多くの取引所では限月先物も取り扱っています。なぜ限月先物があるのか、その意味がわかれば取引の幅も広がります。
無期限には資金調達率は有りますが、限月先物には資金調達率は有りません。
Binanceの永久と限月先物の例を見てもらうとわかります。(クリックすると画像が大きくなります)
永久(無期限)には資金調達率が有ります。期限はありません。
限月先物には決済期限までの残り日数が有ります。資金調達率は有りません。
この特徴を利用して現物、永久、限月先物の組み合わせを考えて色んな手法を考えることも出来ます。
取引所の表示例(限月先物は基本4半期、3月、6月、9月及び12月)
無期限 | 限月先物 | |
Binance | BTCUSD永久 | BTCUSD四半期ごと〇〇〇〇 |
FXT | BTC-PERP | BTC-〇〇〇〇 |
Bybit | BTCUSDT | BTCUSDT〇〇〇〇 |
無期限先物と限月先物の違い
無期限 | 限月先物 | |
資金調達率 | 有り | 無し |
期限 | 無し | 有り |
ビットコインの価格には現物の価格とレバレッジ取引(無期限、限月先物)の価格があります。
基準となるのは現物の価格、現物での取引価格です。
レバレッジ取引の無期限、限月先物の価格は現物の価格とズレてしまいます。このズレを出来るだけ是正して現物の価格に近付ける必要があります。
是正 | |
無期限 | 資金調達率 |
限月先物 | 期限決済 |
限月先物は期限によって清算される事で、ある意味是正されます。
無期限は有効期限ないため、何もしなければ現物の価格と大きくずれて行く可能性があります。
無期限の価格を現物の価格に近付けるために資金調達率があります。
ロング | ショート | |
資金調達率プラス | 支払う | 受け取る |
資金調達率マイナス | 受け取る | 支払う |
-0.375% ~+0.375%
※ロングとショートの勢いの目安の1つの参考
もう1度、ロング側とショート側の関係を見てもらうとわかるように、資金調達率がプラスの場合
資金調達率プラス=ロング側は資金調達手数料を支払う
資金調達率プラス=ショート側は資金調達手数料を受け取る
合理的に考えるならロング側は資金調達率の分だけロングを持ち難く、ショート側は資金調達率の分だけショートを持ち易いです。
資金調達率プラス=現物の価格に比べて無期限の価格が高いので現物の価格に近付ける是正するための措置です。
%の度合いによってレバレッジ取引(無期限)でのロング側の勢い、ショート側の勢いで相場の過熱状況もわかります。
資金調達料まとめ
資金調達率がプラスの場合、ロングポジション保有者がショートポジション保有者に支払う。
資金調達率がマイナスの場合、ショートポジション保有者はロングポジション保有者に支払う。
※資金調達率の期限時点でポジションを保有してない場合は資金調達料は発生しません。
資金調達率の計算
資金調達料=ポジション価額x資金調達率
例 100万円のポジションを保有していた場合、0.375%の資金調達手数料は3,750円になります。
※資金調達率の一般的な利率範囲 -0.375% ~+0.375%
※Binance、Bybit、BitMEXでは1日3回8時間毎に発生します。
資金調達率の履歴(グラフ)
各取引所の資金調達率(funding rate)から見れます。
資金調達率で稼ぐ方法
資金調達率を利用して稼ぐ方法としていくつかの方法が考えられます。
1つの方法としてはデルタニュートラルの形を作る事です。(デルニュー戦略とも略されます)
デルタ・ニュートラルとは、各オプションのデルタを加算するとゼロに近いポジションを構成することによりヘッジする方法です。
引用元 デルタ・ニュートラル
つまり価格の変動による影響をゼロに近付けるポジションの構成を作るという事です。
例えば以下のようなポジションを持ったとします
・1BTC現物購入、保有
・1BTC分ショート(×1倍)
BTCが10万円上昇、現物利益+10万円、レバレッジ-10万円で差引きゼロになります。
この状況で資金調達率がプラスなら資金調達料の分だけ利益が出ます。
資金調達率がマイナスになったらポジションを解消。
保有しているビットコインと同じ量だけショートポジションを持つという事です。
デルタニュートラルのリスク
デルニュー戦略のリスクとしては価格の大きな変動、例えばビットコインが大幅に上昇した場合は単純に現物を保有しているだけの方が利益が大きかった。
資金調達率(funding rate)は市場の歪みを利用して稼ぐ方法なので、一方的な上昇相場では割の良い方法ではありません。
他にも資金調達率のプラス、マイナスの傾向の変化など様々なリスクもあります、もし試される方はまずは少額でテスト的に運用してみるのが良いでしょう。
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